CPUとグラボだけでゲーミングPCを選んでいるそこの君!
今買おうとしているそのコスパモデルPC、マザーボードが弱いかもしれんぞ。
君が後悔しないよう、我の体験談からマザーボードの確認ポイントを伝授しよう。
手っ取り早く知りたいなら、我の体験談は読み飛ばしても構わない。それでは今日の授業開始!
安いマザーボードを使ったゲーミングPCの末路
我がリネージュ2やラグナロクオンラインにハマっていた頃に自作したPCの話である。
予算をケチって1万円未満の格安マザーボードでPCを組んだことが3回あった。1台目は1万円を少し切るマザーボードを使い、メインPCとして3年程使えた。一方、8000円程度の格安マザボを使った2PCプレイ用の2台目と3台目は、どちらも2年持たずに壊れてしまった。
故障の予兆は、突然だった。
ある夏の日、フレンドのレベリング中に、「ピシッ」という謎の電子音とともに画面に線が入り、同時にフリーズするという奇妙な症状が現れた。
PCを強制終了させた後、ケーブルの差し直しやOSの診断、メモリーのテストなどいろいろ試してみたが、原因は全くわからない。ゴキブリを見失ったときのような不安感だけが残された。
数週間後、事態は急転。よりによってギルドの仲間とボス攻略していたときのことである。
「ピシィィキィィーン」
より激しくなった謎の電子音とともに、画面半分ほどに茶色い線が入りフリーズ。慌ててPCを再起動させるも、今度はPCが勝手に再起動を繰り返すような状態に。もはやボス攻略どころではない。
そこで恐る恐るネットの知識人に相談してみた。彼らのアドバイスに従いパーツを調べてみた結果、マザーボード上で異常を発見。原因は「コンデンサ」という部品の故障だった。
コンデンサは電力を調整する役目を持つ超重要な部品であるが、壊れてくると丸みを帯びることがあり、最終的に液漏れしたり破裂したりするらしい。

我のPCは、コイツが壊れて電力が安定しなくなったため、画面が固まったり再起動を繰り返したりしたというワケだ。
なお、3台目もコンデンサ故障でお亡くなりに‥‥。
ここで再びネットの知識人に相談。彼らから「安いマザーボードには外国製の安いコンデンサが使われているから壊れやすい」ことを教わった。それ以来、我はマザーボードの耐久性をしっかり確認するようになった。
今度は、我が君に知識を授けよう!
複雑怪奇なマザーボードだが、見るべき点を絞れば割とイージーだ。特に気を付けたい3つのポイントについて説明する。
買う前にチェック!3つのポイント
1. VRMを確認(耐久性)

■ VRM|目安について
マザーボードの型番がわかれば、価格.comなどで調べることができる。
VRMの数は価格.comの「スペック情報」で先頭の数字を確認しよう。
上の例でいうと 「12+2」の12の部分だ。この数字が8以上なら耐久性はひとまず安心。
BTOによっては、マザーボードの型番が明記されていないモデルもある。そんなときはショップに聞こう。
2. チップセットを確認(品質)

マザーボードの型番からチップセットを確認
【型番の例】TUF GAMING B650-PLUS WIFI
→「アルファベット + 数字」の部分がチップセットの「グレード + 世代」を表している。
■ アルファベッド |グレードについて
グレードは性能と価格に直結する。シリーズはメインの3種類に絞っておいた。
AMD | Intel | グレード |
Xシリーズ | Zシリーズ | ハイエンド |
Bシリーズ | Hシリーズ | ミドル |
Aシリーズ | Bシリーズ | エントリー(ゲームでは非推奨) |
エントリークラスは安さが魅力だが、耐久性が低い。
君がめっちゃゲームするタイプなら、エントリークラスはオススメしない。
■ 数字 |世代について
数字がデカいほど世代が新しい。例えば「B650」と「B850」なら、「B850」のほうが新しい。
だが、重要なのは世代よりグレードだ。
3. BIOSが最新かどうかを確認
パソコンの電源を入れたときに最初に起動するプログラム、それがBIOS。
こいつがクセ者で、BIOSを最新バージョンにアップデートしないと「特定のCPUで致命的な不具合が発生」なんてこともある。
しかも、BIOS更新に失敗したらお陀仏だ。どうせなら最新であってほしいよな!
だが、BIOSが最新かどうかはショップに聞くしか知りようがない。
買う前に「BIOSが最新かどうか」を必ずショップに聞こう。
ショップが回答してくれないときは?
「良さげなBTOパソコンだけどマザボの詳細が書いてねええええ」
ってことが結構ある。そんな時はためらわずショップに問い合わせしてほしいのだが‥‥
■ もし答えてもらえなかったら?
「ショップのオリジナルモデルなので‥」と言葉を濁されたら、
・「VRMはいくつあるかご確認いただけますか?」
・「BIOSは最新の状態ですか?」
‥とピンポイントな質問で1つ1つ情報を引き出そう。
マザーボードの型番が「AMD A620 microATX」みたいに記載されていて、問い合わせても明確に答えてもらえないこともあろう。そんなときは、チップセットを思い出せ!
「A620」だからAグレードってことは‥「あっ!!」
と気づけるようになってほしい。
マザボに関する豆知識
音質にこだわるならオンボードオーディオを確認

APEXなど敵の足音が重要になるFPSシューティングゲームをするなら、音にもこだわりたいところ。
そんなときはオーディオチップの有無を確認だ。価格.comで検索し、オンボードオーディオ欄を見てみよう。
ここが onboard となっているマザーボードには、音質を期待しないほうがいい。

サウンドカードやDACなどの追加費用を考えると、オーディオ機能搭載しているものを買ったほうが安上がり。
例によって、マザーボードの型番が明記されてないBTOパソコンはショップに聞こう。教えてもらえなかったら‥‥お察しだ。
■ オーディオチップの一例
Realtek ALC897
Realtek ALC S1200A
Realtek ALC 1220
Realtek ALC4080
ちなみに、Realtekは台湾のオーディオチップメーカーで、ほぼ独占状態にある。数字が大きいほど音質がいいが高価。
PCI-Express (PCIe) に関する豆知識

PCI Express 5.0 / 4.0 / 3.0 などの数字は、PCI Express 16X の世代(バージョン)を意味する。
スロット | レーン数 | 世代(バージョン) | 用途 |
PCI Express | 16X | 5.0 / 4.0 / 3.0 など | グラボ |
ちなみに、世代ごとに転送速度が2倍になっている。
PCI Express 5.0の転送速度はPCI Express 4.0の2倍で、PCI Express 4.0の転送速度はPCI Express 3.0の2倍だ。
■ マザーボードとグラボに関連する豆知識
NVIDIAのグラボ RTX5050と5060、5060TiはPCIe5.0を採用している。
取り付けるスロットは「PCI-Express 16X」であるが、 仕様により8レーン対応となっている。
16車線あるのに、半分の8車線しか使えないってことだ。
これらのグラボを PCI Express 4.0 で使うと、フルに性能を発揮できないと言われている。
記事まとめ
ゲーミングPCはCPUとグラボだけで決めがち。
だが、毎日ゲームするならマザーボードの耐久性もしっかり確認しよう。
我からは以上だ。